点検作業がいかに大切かを学ぶ

高圧発電所 保守点検
高圧発電所

昨年末に実施した高圧発電所の点検応援。
38枚のモジュール不良を確認し、数箇所の「断線」「接続間違い」などを修正しましたが、同じオーナーさんの別の高圧発電所の電気点検を実施しました。

弊社では主に低圧発電所の点検が多いのですが、高圧の発電所になるとやはり勝手が違います。メガクラスでキュービクル内にPCSが入っていますが、よく見るPCSではありません。高圧ですのでPCSに関しては主任技術者さんの範疇になるかと思いますが、見るだけで「怖さ」を感じる次第です。

基本的な電気点検としては同じですが、低圧の多くはPCSにある断路器を遮断し計測していくのですが、高圧はほぼ「接続箱」のブレーカーを遮断後にストリング毎の断路器を遮断します。

接続箱
接続箱

私は集計していませんので、今回の点検でどれだけの枚数の不良が出たかは確認できていませんが、1.2Mで5~10%程度の不良が確認できていると思われます。

協力会社さんの計算によると、前回の点検の不良箇所の改修を行うことで、年間約130万ほどの売電回復が見込まれ、今後10年だと1,300万にも及ぶということでした。

点検してクラスター故障などを発見しても「費用対効果」を考えると中々交換する気にならないですよね。高単価の発電所は効果が高く、弊社のような低単価の発電所の場合は効果が低くなります。一般的には「メーカー保証」の対応となり、モジュールは無償で手に入りますが交換工事費用が必要になってしまうからです。

石を落とされて破損したモジュールなどは自然災害となり保険対応ですので、交換工事費まで全てが含まれ安心です。(保険加入が必須ですが)

また、今回の点検で印象に残ったのは「絶縁抵抗値0」ですね。

つまるところ地絡が発生している状態ですが、中々見ることもありません。それを「どこで発生しているか」を探る作業をしなければならないわけですが、この時にも「ストリング図」が重要な役割を果たします。

ストリング図がなければ「どこか」が分からず、そのストリングを探すところから始まりますので時間がかかって仕方ありません。

●接続箱——延長線——モジュール——延長線——接続箱

このような形で接続されているわけですが、延長線なのか、モジュール部なのか、MC4コネクタなのか、どこかを見つけるのが思ってる以上に大変な作業です。その上「ストリング図がない」「ストリング図がでたらめ」ということになると途方に暮れますww

今回は割と早く発見できたのですが、それは施工業者がやったとは考えられない延長線の接続でした。

昔よくプラモデルとかレベルで、2本の銅線を捩ってつないでビニールテープで巻く。っていうレベルの工事で、おそらくモジュールの位置を変えるために延長線が足らずに無理やり伸ばしたようでした。それを架台の隙間に無理やり押し込んでいたため「接続部で折れた」状態になってしまったいました。
※写真があれば分かりやすいのですが申し訳ありません。

とにかく、そういった不具合・不良箇所というのは普段考えることもなく見逃してしまいがちで、結果として放置し売電を知らず知らずに損失していることになります。

全てを電気点検で発見することはできないかもしれませんが、不良の多くは電気関連になりますので点検は重要です。

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